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平野将麻
宵に

 

7/9/2022 - 8/14/2022

あらゆるものとの距離は、⼼的イメージによって変幻⾃在に変わってしまう。私はそんな容易に

変容してしまうような距離の上に、誰の⼿も届かない遥か上に、作品を浮かばせたい。それは結

果的に、ここに現した空間が極めて精神的な、⼼像の具体化のように⾒えるかもしれないが、し

かしこれは、そういった精神的なところに⽣じた感覚の⾁体的な⾏為への昇華、かつ、そこから

直結する祈りに近い⾏為によって初めて出来上がるものである。私が制作する作品における絵

画の役割は、私の祈りを背負わせる、あるいは私にない新たな表情を浮かべさせる私の代理とし

ての媒体ではなく、私⾃⾝の⾝体性から直接的に派⽣していくもので、例えば祈りという⾏為の

際に必然的に必要な存在である。それを踏まえたうえで、さまざまなものにおける“距離”につい

ての再考を試み、そして再考の提⽰をしているのである。ここに、形あるものとして私がこれら

の作品を制作する意義がある。

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