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「Viewpoints」

       
      ヒラノショウマ
 
展示期間:2020年6月27日〜2020年7月26日(26日の臨時休廊により25日までに変更)

開廊時間:土日 12時〜18

今回の展示では写真とは何か、写真として成立するラインはどこにあるのか、ということをひとつのテーマとしている。一世代前までカメラで撮影しプリントされるまで写真として認識されなかったものが、現在では撮影してデジタルで表示されたものがその時点で写真と呼ばれることも多々ある。しかし、この二つは全くの別物である。また、デジタルとフィルムも仕組みが全然違うため、これも別物であるという捉え方もできる。それから、撮影された物に手を加える。要するにレタッチしたうえで “写真” として表現されるもの が多く、それを私たちは違和感なく受け入れている。こういった差異を挙げていくと他にも沢山あるのだが、それを踏まえ私は一体どこで写真として成立するのか、なぜ写真として認識されるのかという疑問を持つ。 今回の展覧会において一部、プリントした写真(ここでは写真として成立か未成立かという情報を省き、写真と表記している)に溶剤 をかけた作品を展示しているが、これには撮影した当時の面影がほとんど残っていない。これを写真と呼ばないとするならば、“インクが無造作に塗られた紙” と表現するのが良いだろうか。これにおいて他に展示している風景が映し出された一般的に “写真と呼ばれるもの” と違っているのは溶剤をかける、という手を加える行為である。写真ではない理由になるものを挙げるとすればこの行為になるが、そもそも両方とも単純に “インクが塗られている紙” であるうえに、デジタル上でレタッチすることと同じ段階をアナログで行っている、ということにはならないだろうか。であればこれが写真ではないと証明することはできないはずである。つまり溶剤をかけた作品には、一体どこまでが写真として成立するのかといった写真という概念に対して挑戦的な作品を提示する側面を持たせている。要するに今回は、溶剤をかけた作品もかけていない作品もどちらも写真として成立しているものと認識したうえで展示を行う。

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